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デジタル・アートピース 僕は愚かな人類の子供だった

佐野元春

発売日カタログコード形態レーベル(税抜)税込価格備考
1999.02.15Macromedia FlashSony Music Entertainment¥3001999年2月15日から28日まで期間限定ダウンロード販売。
2001.08,early inESRD 7CD-ROMEpic Records(1,165)¥1,223MDSによるオンライン販売のみ。

収録曲

  1. 僕は愚かな人類の子供だった (DJ CELORY version)

備考

デジタル・アートピースはMacromedia社のFlashで作られた映像作品で、端的にいえば俗に言うフラッシュアニメである。 インターネット時代を見据えたノンパッケージ商品としてソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)のサイトから2週間限定でダウンロード販売された。 この企画は1998年8月30日の佐野元春ライブ「地下室からの接続」に続くSMEの有料配信実験第2弾という触れ込みだった。

この作品では楽曲に合わせて映像が展開される他に、曲の途中にマウスクリックで隠れたメッセージが現れるなどのインタラクティブな仕掛けが盛り込まれている。 Flashゆえに紙芝居的ではあるものの、映像だけでもそのままビデオクリップにして問題ないレベルのクオリティが十分にあると言えるだろう。 音源は前年の11月にリリースされた手塚治虫生誕70周年トリビュートアルバム「ATOM KIDS」所収のものとはミックスが異なるが、デジタル・アートピースのDL販売終了直後にリリースされたシングル「僕は愚かな人類の子供だった」に両バージョンとも収録されている。

有料であるのに販売期間が短かった理由はいくつか考えられる。 当時のインターネットはインフラ面や少額決済の方法など※1オンラインでコンテンツ販売をするには多くの未確立な部分が残っていたためであるとか、この企画はCDを売るためのプロモーションという位置付けで最初から長くやる気はなかったなど。 あえてパッケージ化しなかった点を考えると、SMEにとっては有料音楽配信サービス※2開始のためのとりあえずの布石という意味合いが強かったかもしれない。

CD-ROMはソニーのECサイト「EGSTREET」(イージーストリート)内に設けられた佐野元春専門ショップ「Motoharu Sano's Direct Shop」(MDS)※3のオープン記念のショップ限定受注商品だった。 パッケージ化はユーザーの要望に応えたものとのことで、記載されている対応OSはWindows98/MeとMacintosh。 予約期間は2001年6月15日から7月9日までで、商品の配送は8月の上旬あたりに行われた。 のちに、2002年1月23日にDVD「In Motion 2001 〜植民地の夜は更けて〜」がリリースされた際に数量限定で再発売された。 が、これはどうも最初の生産分が完売できなかったためではないかと思われる。 実際その後も割と長い期間、MDSでレギュラー商品のようにラインナップされていた。

以下は商品の帯から抜粋。

「鉄腕アトム」TVシリーズ、最終回の名シーケンスを挿入。
 1999年2月に期間限定で、デジタルコンテンツ配信された佐野元春の
 デジタル・アートピース「僕は愚かな人類の子供だった」
 佐野元春が敬愛してやまない、手塚治虫のアニメーション「鉄腕アトム」と
 スポークンワーズのサウンドスタイルがシーケンスした作品

佐野元春 デジタル・アートピース 「僕は愚かな人類の子供だった」 CD-ROM

※1. この商品で採用された課金方法は「WebMoney」「BitCash」「Smash」「QQQシステム」の4種類。 当時はテレホーダイの時間帯にアクセスの渋滞がよくあったので、失敗に備えて期間中は1回の課金につき3回までダウンロードが可能となっていた。

※2. SMEの音楽配信サイト「bitmusic」は1999年12月にサービスイン。 著作権保護機能を備えた本格的な楽曲DL販売は国内では初めてだった。

※3. 「EGSTREET」は国内大手レコード会社初の直販サイトとして2001年5月15日にオープン。 2003年6月6日に「Sony Music Shop」に名称変更し、リニューアルオープンに伴いMDSは消滅している。