アンジェリーナ
1980.03.21
佐野元春
B面「さよならベイブ」もアルバム「BACK TO THE STREET」に収録されている。
デビューまでの道のり
佐野がプロを志した最初の形跡はヤマハ主催の「第8回 ポピュラーソングコンテスト」(1974年)に見ることができる。 「Bye Bye C-Boy」でエントリーしたが'つま恋本戦会'(決勝)での受賞は成らなかった。 佐野はこの時18歳の大学生で「バックレイン元春セクション」という10人編成のバンドを率いて出場していた。
佐野はその後、佐藤奈々子と知り合い、彼女の活動に関わる。 佐藤の77年のデビューアルバム「Funny Walkin'」から79年の4thアルバム「Kissing Fish」まで、コンポーザーとして参加し、佐藤との共作を多く手がけた。
他に、大学在学中に小坂忠(1948-2022)の経営する会社でアルバイトをしていた折に、CM音楽のレコーディングに参加するなどしている(小坂忠は佐藤奈々子の3rdアルバムのプロデューサー)。
22歳で再び「第15回 ポピュラーソングコンテスト」(1978年)に挑戦し、この時エントリーした「Do what you like (勝手にしなよ)」がグランプリの次点である優秀曲賞4曲の中のひとつに選ばれた。
佐野はヤマハからデビューするという話もあったそうだが、今の日本の音楽シーンでは自分の曲は売れないと思い、この時は生活のために広告制作会社への就職の道を選んだ。 サラリーマンとして俳優の真野響子が出演するラジオ番組の制作に携わるが、就職後も複数のレーベルからオファーがあったという。
そして、ラジオ番組の取材で訪れたアメリカで見聞を広めたことと、EPIC/SONYのハウス・プロデューサーだった小坂洋二の熱心な勧誘により、2年ほどで会社を辞めてプロになることを決意する。
小坂洋二が佐野を発見したのは小坂が独自のルートで集めた200本余りのデモテープの中からだった。 小坂は佐野の「Do what you like (勝手にしなよ)」と「彼女」を聴いて感動し、その日のうちに連絡を取り、翌日面会したという。
- 参考ページ
- 佐野元春を成立させるクリエイティブのかけら(第2章)つまらない大人にはなりたくない 自立の末に訪れた分岐点 | ぴあエンタメ情報
- 佐野元春を成立させるクリエイティブのかけら(第3章)すべての真実はストリートの中にこそある 佐野元春の登場で「新しいマーケット」が生まれた | ぴあエンタメ情報
- 1980年の佐野元春――アメリカに行ったこととディレクターの口利きがデビューを決意させた! | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !
- 参考書籍
- 小坂忠 著「まだ夢の続き」 ISBN:9784309017969
- スージー鈴木 著「EPICソニーとその時代」 小坂洋二インタビュー ISBN:9784087211894
EPIC 期待の星
佐野はデビューしてから3rdアルバム「SOMEDAY」でブレイクするまでに2年を要する。 しかし、売れる前からレーベルの破格の推しを受けていたと福岡智彦(当時、渡辺音楽出版のプロデューサー)が証言している。
また、佐野はデビュー前からNHKのディレクターに認められてFMラジオ番組「サウンドストリート」(月-金22時枠)のDJを務めることが約束されていたという。 佐野は前任の松任谷正隆から枠を引き継ぎ、1981年4月から番組が終了する1987年3月までの6年間、毎週月曜日を担当した。
- 参考ページ
- 佐野元春の革新性、そして日和ることなきロックスピリット | Re:minder [2020.05.23 カタリベ:福岡智彦]
- 参考書籍
- 雑誌「ザ・タイムマシン」 2021年4月号 (P.26-29) 元NHKディレクター・湊剛インタビュー
TVK「ファイティング80's」
佐野はデビューと同時にテレビ神奈川の新番組「ファイティング80's」(毎週金曜日 21:00-21:55 司会:宇崎竜童)にレギュラー出演している。 佐野は番組開始から6ヶ月間、エンディングを担当するアーティストとして出演し、最初の3ヶ月は毎週「アンジェリーナ」を歌っていた。 この番組は新興レーベルだったEPIC/SONYのショーケースという側面があり、1980年4月から1983年3月まで続いた。
その後、佐野はブレイクするも、ライブやレコーディングの他にラジオDJや雑誌出版といった活動に勤しみ、10年以上テレビにはほぼ出演しなくなる。
- 参考書籍
- 兼田達矢 著「横浜の"ロック"ステーション TVKの挑戦 ライブキッズはなぜ、そのローカルテレビ局を愛したのか?」 ISBN:9784866471563
同じカタログナンバーで2種類のジャケット

ジャケットが2種類あって最初のバージョンはレコード会社の方針変更により早い段階で回収されたとされている。 そうであれば佐野がまだ全然売れる前であったことを考えるとほぼ全回収されたであろうと思われる。 回収版と新デザイン版のジャケット裏の印刷はレイアウトを含めてまったく同じ内容で、クレジットがいずれも「PHOTO:三田十史生 / 撮影協力:東急ハンズ」となっている。
新デザイン版のジャケットのロケ地はアルバム「BACK TO THE STREET」と同じ、神奈川県民ホールの裏手にあった「赤い靴」であり、佐野の服装や自転車の位置から考えるとアルバムジャケットと同日の撮影と思われる。 もし、デザインの差し替え時に裏面まで気が回らず、クレジットの修正が行われないミスがあった(あるいは気付いていたが予算や時間の都合などで放置された)とするならば、新ジャケットの撮影者はアルバム「BACK TO THE STREET」と同じ"ヒロ伊藤" (1946-2014) と考えるのが妥当であろう。
「アンジェリーナ」をカバーした人
| アーティスト | 発売日 あるいは公開日 | 収録作品名 レーベル / カタログコード | 備考 |
|---|---|---|---|
| 風間杜夫 | 1984.07.01 | 7インチEP「心花よ止まれ 恋せよマドンナ」 日本コロムビア / AH-478 | B面に収録。 スタジオレコーディングではなくライブ音源。 CDでは2011年発売の「風間杜夫 ゴールデン☆ベスト」(COCP-36674)で聴くことができる。 |
| 酒匂ミユキ | 2003.02.14 | CD「Man ~女が唄う男達のバラード~」 WORLD CLIQUE / WQ-5001 | インディーズでの発売。 |
| DJ TK | 2007.07.04 | CD「Cream of J-POP ~ウタイツグウタ~」 247 MUSIC / XQBU-1002 | この曲はカバーではなくサンプリングの範疇のもの。 'DJ TK'は小室哲哉の覆面ソロユニット。 佐野のオリジナルの「アンジェリーナ」からボーカルトラックのみを拝借し、その他の演奏部分を小室がDTMで再構築している。 |
| ヤン | 2011.03.01 | Angelina(アンジェリーナ) | YouTubeでの公開のみ。 佐藤奈々子の息子であるヤン(jan)は、このあと片寄明人の勧誘でGREAT3に加入する。 |
| 加藤いづみ | 2019.09.06 | CD「gift」 g-strings records / FQCA-1024 | 高橋研プロデュース。 |
関連ページ
Wikipedia
A
- 作詞・作曲
- 佐野元春
- 編曲
- 大村雅朗
- Vocal & Guitar
- 佐野元春
- Drums
- 島村英二
- Bass
- 高橋ゲタ夫
- Guitar
- 矢島賢
- Piano
- 羽田健太郎
- Saxophone
- Jake H. Concepcion
※ミュージシャンの情報は「THE SINGLES EPIC YEARS 1980-2004」のブックレットに掲載されているもの。
B
- さよならベイブ
| 発売日 | メディア | レーベル | カタログNo. | 価格 ※価格および税率は発売当時のもの |
|---|---|---|---|---|
| 1980.03.21 | 7インチEP | EPIC/SONY | 06・5H-31 | ¥600 |


